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見出し職場の「ダイバーシティ・マネジメント」とは

Q:職場の「ダイバーシティ・マネジメント」とはなんでしょう?

最近職場では、「女性の管理職~%」「障害者の雇用率~%」「生産性~%の向上」と目標を掲げて、「ダイバーシティ・マネジメント」という言葉がよく使われますが、職場の「ダイバーシティ・マネジメント」とはなんでしょう?

A:多様性(diversity)を組織内外の競争優位の源泉として生かすことを目的として、文化や制度、慣習などの変革をめざす経営戦略を意味するようになっています。

ダイバーシティ・マネジメント(Diversity Management)は、今日、個人や集団間に存在するさまざまな違い、即ち多様性(diversity)を組織内外の競争優位の源泉として生かすことを目的として、文化や制度、慣習などの変革をめざす経営戦略を意味するようになっています。

私たちの社会はいわゆる少子高齢化が進行して、生産年齢人口が減少していく中で、できるだけ多くの働く意欲と能力のある人々が労働市場に参加して活躍できる社会をつくることが喫緊の課題となっており、「一億総活躍社会」「生涯現役社会」「女性活躍推進」などが政策スローガンとして揚げられるようになってきたのは、このような背景があるといえるでしょう。

ダイバーシティ・マネジメントとは

今日「男性の正規雇用者」という同質的な労働者のみならず、女性、高齢者、障害者、外国人、LGBTなど多様な人々(マイノリティ)が働くことで、組織が活性化し、生産性も高まり、さらに互いの異質性を認め合って、多様な人々の人生の選択肢やフロンティアを広げていることが、社会制度の設計に必須であるとして、ダイバーシティあるいはダイバーシティ・マネジメントの考え方が次第に受け入れられるようになってきています。

そもそも、ダイバーシティ(マネジメント)とは、多様な人種を擁するアメリカにおける社会統合政策に端を発しているものであり、当初は、1964年公民権法により、人種差別撤廃をめざして企業に機会均等が義務付けられ、いわゆるアファーマティブ・アクションによって、これまで差別を受けてきた少数民族や女性に対する優遇措置も義務付けられ、これらの政策推進をめざす戦略、スローガンとして採用された概念だったのです。またマイノリティとは、その社会や時代によりさまざまであり、例えばアメリカでは黒人が、英、仏、独などのヨーロッパ諸国では、アフリカ、中近東、イスラム教の人々が差別で苦しんできた歴史があり、差別是正が歴史的に問題とされてきました。

このように、ダイバーシティ・マネジメントは単に生産性を向上させることにとどまらず、1人1人多様な「価値」を認め合い、差別を排除し人権と社会正義の実現をめざすものと言うべきなのです。

 

ダイバーシティ・マネジメントの問題点

しかしながら、やがて80年代以降のグローバル化に伴う経営戦略の再編成をよぎなくされた企業が、業績回復をめざして取り組んだ組織変革の柱の一つが、組織の柔軟性を大きくし、従業員の問題解決能力の向上を目指すものとして重視しされるようになり、多様な人材の活用、即ちダイバーシティ・マネジメントが人事経営戦略として位置づけられるようになりました。

とりわけ、90年代以降、ME・IT革命の進展の中、女性の活用による経営の再建に成功した企業が、IT産業をはじめさまざまな分野で現われるようになり、ダイバーシティ・マネジメントは、今日、個人や集団間に存在するさまざまな違い、即ち多様性を組織内外の競争優位の源泉として生かすことを目的として、文化や制度、慣習などの変革をめざす経営戦略を意味するようになっているのです。

特に近年、女性には、ワーク・ライフ・バランス政策の視点とされてきた(1)「正義」(2)「ケア」(3)「活用」のうち、いわゆるダイバーシティ・マネジメントの名の下に「活用」が重視され、大企業を中心にグローバル戦略として、一層の「生産向上、労働の効率化」が推進されており、その中に女性の活用、ワーク・ライフ・バランスが位置づけられるようになってきているのです。

 

詳細はこちら →「職場のダイバーシティ」水谷英夫

株式会社クオレ・シー・キューブ「ハラスメント対策最前線」より