登録型・「日雇」派遣とは
Q:登録型・「日雇」派遣とは
登録型・日雇派遣の問題点はどこにあるのでしょう。
A:雇用が不安定で、労働条件が劣悪なのが問題なのです
登録型派遣は、他の非正規雇用の働き方や常用型派遣と比較しても、労働条件が劣悪でありかつ雇用が不安定です。登録型では、交通費なども自己負担とされ、多重派遣などの対象とされたり、技能とは関係のない容姿や年齢などによって選別されるケースもあり、また残業対応可とされることが多く、ボーナスや昇給とは無縁で、キャリア展開することもなく、雇用保険や社会保険に加入できないことが多いのです。このため、産休や病気などで仕事を休まなければならないときでも手当はなく、ライフスタイルや健康が大幅に制限されることになり、安定した生活を展望できず、少子化などの問題を引き起こすことにもつながっているのです。結局のところ、登録型派遣の恩恵を受けられるのは、仮に雇止めにあっても生活に大きな支障のない人たちということになるでしょうが、今日わが国ではそのような人たちはむしろ少数派でしょう。
しかも「登録型」派遣の場合、前述のとおり派遣元事業主は許可を受けなければならないとされているものの、その許可基準はハードルが低く設定されており(極端な場合、マンションの一室に受付の事務員と電話を設置すれば可能とされる。派遣法7条1項2号)、その結果労働法令が定める使用者責任の多くが、経済力や実体を有しない「名ばかり雇用主」である派遣元に負わされており、エンドユーザーとして派遣労働の最終的な利益享受者である派遣先は、使用者責任が軽減されることになっているのです。とりわけ登録型の一種である「日雇派遣」はその極端なケースであり、改正派遣法で原則禁止とされましたが、一層の監視が必要です。