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見出し退職勧奨をされた

Q:退職勧奨をされた

上司から「会社の経営が思わしくないので来月末で辞めてもらえないだろうか。」と告げられました。私としては、急な話でどう対応して良いのかわからず、了承も拒否もしていません。このままではクビになってしまうのでしょうか。

A:辞めたくなければ応じる必要はない

使用者の退職勧奨に応じるかどうかは、労働者の意思で自由に決めることができますので、辞めたくなければ応じる必要はありません。退職勧奨なのか解雇通告なのかあいまいな場合がありますので、会社に真意を確かめましょう。

退職勧奨

「退職勧奨」とは、いわゆる肩たたきや希望退職募集など、会社が労働者に退職を勧めることをいいますが、退職勧奨に応じて会社を辞めることは「退職」となるので、「解雇」の場合に必要な予告期間や予告手当の支払(労基法第20条)は不要となります。さらに、離職の理由が解雇などの会社都合によるものか、自主退職などの自己都合によるものかによって、雇用保険の支給開始日や給付日数に差が生じてきます。
このように、退職勧奨とは、あくまで「退職の勧め」ですから、それに応じるかどうかは労働者本人の意思に任され、辞めるつもりがなければ応じる必要はありません。
会社側の言い方は、様々で、その真意があいまいなケースもよくあり、その場合には、「退職勧奨」(=使用者が労働者に自主退職をお願いするもの)なのか、「解雇」(会社の都合で労働者を辞めさせるもの)なのか、その意味するところを確認する必要があります。また、場合によっては会社の退職勧奨に応じる気持ちがあるときでも、会社から提示された条件などをよく考慮した上で、慎重に判断し、退職の意思がない場合には、会社から勧められるままに安易に退職届を提出するのは絶対に避け、辞めるつもりのないことをはっきり会社に伝えましょう。

退職強要

退職勧奨(勧告)は使用者が労働者に対して自由に行なうことが許され、通常法的には合意解約の申込みである場合と、単なる誘引にすぎない場合とがありますが、いずれの場合でも労働者はこれに応ずる義務はなく、また社会通念上の限度を超えた場合、「退職強要」として無効とされます。使用者の退職「勧奨」そのものが不法行為や債務不履行を構成する場合には、労働者は慰謝料のほか一定期間の賃金を逸失利益として請求しうることになり、近年のいわゆるセクハラやパワハラにより退職を迫られるケースが典型例といえましょう。